ページランクについては先にグーグルの説明をベースに紹介しましたが、ここではケース・スタディとして実際のページランクについてみていきたいと思います。
ページランクの特徴について日本とアメリカのサイトのページランクを比較すると面白いことがわかります。ここでのアメリカのサイトとはドメインが”.com”のものです。もちろん.comが単純にアメリカのサイトということではありませんが、グーグル・ヤフー・マイクロソフトなどの企業は日本法人の場合”.co.jp”米国法人を”.com”としています。ページランクに関しては米国法人のサイトのほうが圧倒的に高く、グーグル・ヤフーは日本法人がページランク9に対して、米国法人はページランク10です。企業に関しても日本では4〜6、ニュースサイトや法人運営のポータルサイトが8止まり、かろうじて東京大学や慶応大学といったところがページランク9を得ています。一方米国のサイトは企業が5〜8、ニュースサイト・ウィッキィペディアなど多数のサイトが9、Adobeなど世界的に有名な企業やホワイトハウスなど10前後のサイトがページランク10を得ていると思われます。
なぜ日米でこのようなページランク格差が発生するのでしょうか?日本のサイトが余り重要ではないということなのでしょうか・・・。答えは、多分ですが、日本語にあると思われます。グーグルのページランクアルゴリズムは言語の壁を超えられないことを明確にしています。言語の壁とは、英語で書かれたサイトから日本語で書かれたサイトへリンクを貼っても、そのリンクの関連性(重要性など)を同じ言語同士でのリンクのように評価してくれないというものです。ご存知のように、グーグルは米国生まれのサイトなのでgoogle.com自身はページランク10、ヤフーやホワイトハウスなど米国で重要と思われるサイトには10が付く可能性は十分にあります。しかし日本ではページランクは移植されたものであり、グーグル自身の評価であるgoogle.co.jpはページランク9です。これにより日本のサイトでページランク10を獲得するのがいかに難しいのかがわかります。
個人と企業では、企業サイトのほうが圧倒的にページランクが高めです。これにはもちろん、内容に独自性がありユーザビリティの高いサイトが多いので検索エンジンから高い評価を受けやすいことがあります。しかし、個人のサイトと決定的に違う点はページランクの高いサイトからのリンクを多く獲得していることです。これは単にサイトがすばらしいからという理由で獲得したリンクではなく、現実社会のネットワークをウェブ上でも活用しているだけです。
これがスパムといえるのか否かはおいておきますが、ページランクは量より質だということはいえそうです。個人のサイト(特にアダルトなど)の中には日々のアクセスが数十万、獲得リンク数も膨大な数に上るにもかかわらずページランクはせいぜい4止まりです。一方、都道府県や官公庁などのサイトは、アクセス数や獲得リンク数は不明ですが、ページランク6前後はザラです。企業や公的なサイトだから優遇されるということはありませんが、ページランクは量より質だということは確実に言えそうです。
”絶対的”・”相対的”ページランクとは管理人の造語です。絶対的ページランクとはサイトのトップページにつくもので、グーグルが他のウェブサイトと比較して付けたページランクです。相対的ページランクとはサイト内の各ページに付くページランクで、絶対的ページランクを基準に配布しています。
グーグルは二段階に分けてページランクを決定しているように思われます。第一段階は、サイトの全体的な評価結果であるページランクをドメインに対してつけます(絶対的ページランク)。多くのサイトでトップページ(http://ドメイン/で表示されるページ)がほとんど内容を含まないページであるにもかかわらず一番高いページランクなのは、グーグルがドメイン単位でサイトのページランクを決定しているためと思われます。
第二段階では、絶対的ページランクを基準に相対的ページランクを各ページに配布します。傾向としては、トップページがページランク4の場合、次の階層のページはページランクが3、内部リンクの少ないようなページや内容の少ないページではページランクが2や1といったふうに配布されます。ウェブマスターのためのガイドラインの各ページをみてもわかりますが、絶対的ページランクが高ければ相対的ページランクも高くなる傾向にあります。
絶対的ページランク>相対的ページランクなのは言うまでもありませんが、相対的ページランクがより高い絶対的ページランクを獲得するために必要なものだと思われます。相対的ページランクは、言い換えれば、ウェブマスターが作りうるページランクといえます。もちろんスパム的な意味ではなく、内容の濃いページを作るというのが前提です。相対的ページランクは外部からの直接のリンクがなくともサイトの内部的な評価の結果として配布されると考えられるので、比較的容易に”ページの内容に関する”ページランクを獲得できることになります。
具体例で説明するとSEOがテーマのサイトの場合、通常外部リンクはタイトル名に含まれるSEOというアンカーテキストでのリンクとなり、サイトの内容が充実していればSEOというテーマの絶対的ページランクを獲得することができます。その後、ウェブマスターがSEOと関連の深い内部ページとして検索エンジンスパムに関するページを作成します。検索エンジンスパムに関するページには、仮にそのページへの外部リンクが少なかったとしても、相対的ページランクが配布されます。結果としてウェブマスターは多数の直接的な外部リンクを必要とせずに”検索エンジンスパム”というテーマのページランクを獲得できることになります。これはウィキペディアに当てはまる事柄といえます。もちろん内容がすばらしいのは否定しませんが、外部的なリンクをほとんど獲得していないにもかかわらずさまざまなキーワードに関して検索上位表示されるのは相対的ページランクの恩恵をフルに活用しているためと思われます。